【ペルチェ素子とは】


ペルチェ素子は、電流を流すことで一方の面から熱を吸収し、反対側の面へ熱を移動させる熱電冷却モジュールです。 冷媒やコンプレッサーを使用しない固体素子であるため、機械的な可動部を持たず、電子機器の局所冷却や温度制御などに使用されています。 また、電流の向きを変えることで、冷却面と発熱面を切り替えることができます。


【ペルチェ素子の主要仕様と選定ポイント】


Qmax(最大吸熱量)とは

Qmaxは、ペルチェ素子の冷却面から吸収できる最大の熱量を示す値です。 ただし、Qmaxは冷却面と発熱面の温度差がない条件での最大吸熱量を示す値であり、実際の使用時には冷却対象の熱負荷や温度条件によって吸熱量が変化します。 そのため、Qmaxの数値だけで実際の冷却能力を判断するのではなく、冷却対象の発熱量や必要な温度条件を考慮して機種を選定する必要があります。

ΔTmax(最大温度差)とは

ΔTmaxは、ペルチェ素子の冷却面と発熱面の間に作ることができる最大の温度差を示す値です。 ΔTmaxが大きいほど大きな温度差を作ることができますが、ΔTmaxは冷却対象からの熱負荷がない条件での値であり、実際の使用時には冷却対象の熱負荷によって得られる温度差が小さくなります。 したがって、ペルチェ素子の選定ではQmaxとΔTmaxの両方を確認することが重要です。

Th(発熱側温度)について

Thは、ペルチェ素子の発熱側(ホットサイド)の温度を示します。 ペルチェ素子は、冷却面から吸収した熱に加えて、駆動時に発生する電気的な発熱も発熱側へ移動させる必要があります。そのため、発熱側の温度条件は冷却性能に大きく影響します。 本ページでは、発熱側温度Th=27℃およびTh=50℃の条件におけるQmaxとΔTmaxを掲載しています。実際の使用環境では、ヒートシンクや冷却ファンなどを使用して発熱側を適切に放熱することが重要です。

シングルステージとマルチステージの違い

Same Skyのペルチェ素子には、シングルステージタイプとマルチステージ(多段)タイプがあります。 シングルステージタイプは、一般的な温度制御や冷却用途に使用される構成です。 マルチステージタイプは、複数のペルチェ段を積層した構造で、シングルステージタイプより大きな温度差が必要な用途に適しています。 ただし、マルチステージタイプでは最大温度差だけでなく、必要な吸熱量、駆動電圧・電流、発熱側の放熱条件なども考慮して選定する必要があります。 本ページでは、シングルステージタイプとマルチステージタイプを分けて製品一覧を掲載しています。



【ペルチェ素子の選び方】


ペルチェ素子を選定する際のポイント

ペルチェ素子は、QmaxやΔTmaxの数値だけでなく、冷却対象の熱負荷、温度条件、発熱側の放熱条件、駆動条件などを総合的に考慮して選定する必要があります。 主な選定ポイントは以下の通りです。


  • 冷却対象の熱負荷:冷却対象から発生する熱量を確認し、必要な吸熱量に対応できる製品を選定します。
  • 必要な温度差:冷却面と発熱面に必要な温度差を確認し、ΔTmaxだけでなく実際の熱負荷を考慮します。
  • 発熱側の温度:ヒートシンクやファンなどの放熱方法を含め、発熱側をどの程度の温度に維持できるかを確認します。
  • 駆動電圧・電流:電源や駆動回路が、選定したペルチェ素子の定格電圧・電流に対応できるか確認します。
  • モジュールサイズ:冷却対象との接触面積や実装スペースに合わせてサイズを選定します。
  • ステージ構成:大きな温度差が必要な場合は、マルチステージタイプも検討します。

QmaxやΔTmaxはペルチェ素子を選定するうえで重要な指標ですが、これらの数値だけで実際の冷却性能を判断することはできません。冷却対象の熱負荷、冷却面・発熱面の温度条件、放熱方法、駆動条件などを考慮して選定することが重要です。 Same Sky Japanでは、量産案件を中心に、ペルチェ素子の機種選定や仕様確認、サンプル対応などを行っています。



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